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東京都でハンマーヘッドに出会う!大自然も島グルメも満喫する週末旅【伊豆大島】

「2〜3日の休みでダイビング旅行にオススメな場所は?」

と、都内在住のダイバーに聞かれることがあります。普通の旅行であれば海外でも余裕で行けますが、ダイビングをする場合、潜水後から飛行機搭乗まで12〜24時間あけなければいけません。
最終日までダイビングを楽しみたい、移動のロスを減らしてその分グルメや観光もしっかり堪能したい・・・などを理想的に叶えてくれるのが

伊豆大島です!

伊豆大島といえば東京都が誇る自然豊かな島。私はこれまで「月刊DIVER」の取材で複数回訪れてきましたが、おいしい島グルメや温泉、トレッキングなどの観光も充実していて「撮れ高」が非常に高い!(フォトジェニックなシーンに溢れているということ)

昔から人気のダイビングサイトでありますが、最近はハンマーヘッドの大群が狙えるダイビングポイントが開拓されるなど、楽しみ方もさらに進化しています。

今回は、伊豆大島の魅力と、訪れるべき場所をご紹介したいと思います!

都内から航路で1時間半!
バス感覚でアクセス

伊豆大島へのアクセス方法は主に以下の4つです。
①東京「竹芝桟橋」(「久里浜」も経由)からジェット船で約1時間45分
②東京「竹芝桟橋」(「横浜」も経由)から大型客船(夜行便)で約6時間
③静岡「熱海港」(「伊東」も経由)からジェット船で約45分
④調布飛行場から飛行機で約25分

 ※海路の詳細は→「東海汽船」HPをチェック! 
 ※空路の詳細は→「新中央航空」HPをチェック!

都内近郊在住であれば①の東海汽船のジェット船を利用するパターンが一般的。例えば・・・

7:40 「竹芝桟橋」へ。出発15分前までに乗船手続き
※「竹芝桟橋」へのアクセス:JR「浜松町駅」(北口)から徒歩約8分/ゆりかもめ「竹芝駅」から徒歩約1分/地下鉄「大門駅」から徒歩約10分

8:15 「竹芝桟橋」出発

10:00 伊豆大島に到着 

めっちゃ近いですよね!乗船時間は最短で1時間45分。バスや電車に乗る感覚でアクセスできます。当日ダイビングをする場合は、ダイビングショップが港までピックアップに来てくれます。

ちなみに帰路のジェット船は15時台に伊豆大島を出るので最終日もダイビングや観光が楽しめます。



ハンマーヘッドの群れに感動!
狙うは6月〜10月中旬

「東京都でハンマーヘッドシャークの群れが見られる」なんて驚きですよね!

日本国内でハンマーヘッドの大群といえば、沖縄の与那国島と、南伊豆の神子元が有名ですが、伊豆大島でも2017年に「イエローダイブ」オーナーガイドの古山徹さんがハンマーの通り道を見つけ「ハンマースクランブル」と名付けました。今や外国人ダイバーからも注目される人気ダイビングポイントです! 今回ハンマーの水中写真は古山さんにお借りしました。ありがとうございます😘

頻出するシーズンは6月〜10月中旬。日の出とともに現れるハンマーを狙って早朝5時前後にビーチからエントリーします。

↑水中スクーターは写真のように股にはさむタイプなので、水中カメラも楽しめます

古山さんのガイディングのスゴいところは、水中スクーターを駆使して本来ボートでしか行けない場所でもビーチからアクセス可能にした事。これによって伊豆大島の海の魅力が格段に奥行きを増しました。

「ハンマースクランブル」は北部のビーチポイント「ケイカイ」の沖にあり、水中スクーターなしではアクセスできません。

ハンマーヘッドは早朝に見られます。
日の出前のまだ暗いビーチで準備をし、エントリーします。自分も寝ぼけていますが、水中生物も同じくまったりムード。ときどきアオウミガメが息継ぎのためにフラフラと水面へ上がっていくシーンも見られます。

しかし「ハンマースクランブル」に到着するなり眠気が一気に吹き飛びます。頭上には体長2〜3mはあろうアカシュモクザメの姿が! 

近っ!! 


↑一瞬だけど、こんなふうに目が合いました。
最初の感想は・・・めっちゃ目が離れてる!でもすごくキュートな瞳。たぶん魚類界でもトップクラス、ハリセンボンと一、二を争うクリクリでつぶらな瞳です。

とにかく至近距離で見られることに驚きます。水面にはあっという間にハンマーリバーが出来、最終的には200匹ぐらい泳ぎ去っていきました。

少しずつ明るくなる水面を背景に、本当に幻想的なシーン。壮大なドキュメンタリー映画を見せてもらった感じでした。季節限定なのでお見逃しのなく!


地形、群れ、サメ!
激アツな南部ポイント「トウシキ」

伊豆大島には「秋の浜」「野田浜」など、代表的なダイビングポイントがありますが、最近ダイバーをザワつかせているのが南部にある「トウシキ」。

エントリーしてまず目に飛び込んでくるのが不思議な壁・・・

これは人工物?

違います。溶岩が冷え固まる際に出来る「柱状節理」が束になった壁なんです。「柱状節理」は陸上でしか形成されず、海面の上昇によって今は水中に・・・。数百万年前から何度も噴火を繰り返してきた伊豆大島の歴史を水中から見られる貴重なダイビングポイントです。

案内してくれたのはダイビングサービス「シーサウンド」オーナーガイドの小川修作さん。トウシキの水中写真は小川さんにお借りしました!ありがとうございます。

そして旬の話題といえば・・・・

大迫力のクロヘリメジロザメ!
トウシキでは2年連続、12〜1月にクロヘリメジロザメが観察されています。(最初は「ガラパゴスザメか?」とも言われていましたが最近同定されました)体長2mほどある迫力のルックスで、多いときで20匹ほど見られるそう。

さらに・・・雲海のごとく視界を覆うマイワシの群れ! 昨年2月に「秋の浜」で突然現れたイワシの大群がトウシキにも回ってきました。
南アフリカやフィリピン・モアルボアルを彷彿させる一大スペクタクルが東京都の海で見られるなんてロマンあります!去年は秋口にハンマーヘッドシャークの群れも見られたそうです。

サメやイワシの群れは狙って見られるものではないのですが、クマノミやベニカエルアンコウ、フリソデエビやキンチャクガニ、アオウミガメや回遊魚など、フォトジェニックな生き物に溢れています。

↑日本固有のチョウチョウウオ「ユウゼン」。主に小笠原で見られるのですが、「トウシキ」でも観察されています。スゴイ!

なお、シーサウンドでも水中スクーターを利用したダイビングが楽しめます!


美味しくてヘルシーな島グルメを堪能!


海を堪能した後は“海の幸”も楽しみましょう! 伊豆大島には美味しい島グルメがたくさんあります。まずご紹介したいのは・・・

べっこう!

「べっこう」とは青唐辛子醤油に漬け込まれた地魚の切り身で、伊豆大島を代表する郷土料理です。青唐辛子のピリ辛にどハマりした私は家でも真似して作りました笑。お酒もついつい進んじゃいます♪
お寿司や丼は多くのお店の定番メニューになっていますが、イチオシは伊豆大島で一番美味しいお寿司が頂けると評判の「大関寿司」!

↑新鮮な地魚が頂ける「大関寿司」。お寿司もお刺身も追加オーダー♪


島の至る所に自生している明日葉は天ぷらや和物などメニューも豊富。ふりかけやお茶などのお土産も多数あります。

明日葉はダイエットやアンチエイジング、肩こりや頭痛、ガンやアルツハイマー予防、他にもさまざまな効能があるスーパーフードでもあります。いっぱい頂いちゃいましょう!

近海でとれた新鮮なイカも本当に美味しいです。中でもアカイカやアオリイカが肉厚でジューシー!刺身やイカそうめんなど、ぜひ生で味わってください。

↑イカの下に見える「島のり(はんばのり)」も特産品。ご飯に乗せて醤油をたらすだけでもご馳走。食物繊維、カルシウム、鉄分を多く含み、ダイエットや糖尿病治療中の方にもオススメの健康食品です!

↑伊豆大島を代表するB級グルメ! 波浮港にある「鵜飼商店」のコロッケやハムカツは、注文してから揚げてくれるので熱々ホックホクが頂けます。


伊豆大島のパワースポットを巡ろう


伊豆大島は、数百万年前というとてつもない古い時代からいくつもの火山が噴火を繰り返し、大きくなってきた島。中央にある三原山は1990年以降噴火はないものの、今なお活動している活火山です。

そんな希少な自然資源が評価され、2010年には「日本ジオパーク」に認定されました。ジオ(地球)や自然のパワーを体感できる場所は島の至る所にあります。車で気軽に見に行くこともできますし、ネイチャーガイドが案内してくれるツアーに参加するのもオススメです。

海から筆?

洋上に飛び出た「筆島」は、伊豆大島ができる前(数百万年~数十万年前)に活動していた海底火山の名残。地上に溢れ出すマグマが途中で冷え固まり、周辺が波によって侵食されて筆先のような形状になりました。

巨大バームクーヘン

道路工事の際、偶然見つかったという「地層大断面」。およそ150年に1度おこる大噴火によって火山灰が降り積もり、伊豆大島の断面はどこを切り取ってもこのようなバームクーヘン状になっているそうです。

ウミガメの産卵地「砂の浜」

火山島ならではの黒い海岸線が、海の色をひときわ青く見せてくれる「砂の浜」(さのはま)。アカウミガメが産卵に訪れる貴重な場所です。

黒いビーチでウミガメが見られるなんてハワイ島の「ブラックサンドビーチ」に似ているなぁーと思っていたら、伊豆大島とハワイ島は1962年に世界で初めて姉妹島盟約を結んだ深い関係なんだそう。

伊豆大島を象徴する活火山「三原山」。ここを訪れるトレッキングツアーもあります。「ハードな登山は無理だわ」という人でも大丈夫。舗装された道を歩いたり、火口付近を巡るなど、ゲストの体力やニーズに対応してくれます。

ジブリ映画のワンシーンに出てきそうな「泉津の切り通し」。苔むす緑の大地に巨木が根を張り自然のパワーに圧倒されます。映え写真が撮れますよ!


まだまだある!
楽しくて穴場な観光地

伊豆大島はノンダイバーの友達や家族、小さい子供連れで訪れても十分楽しめる観光地が揃っています。広大な敷地を誇る動物園や、海を見渡す露天風呂は要チェック!

伊豆大島の雄大な自然を生かして作られた「東京都立大島公園 動物園」では、手の届きそうなほどの距離で愛らしい生き物たちが観察できます。フラミンゴをはじめ様々な鳥が観察できるフライングゲージは日本屈指の広さなんだとか!入場無料だし、混み合うこともなく、開放感たっぷり。私、ここで働きたいと思ったほど楽しいです笑(営業時間8:30~17:00)

真っ青な海と伊豆半島が見渡せる公共の温泉露天風呂「浜の湯」は本当に気持ちがいい! 昼間は爽快、目の前に夕日が沈むサンセット時もおすすめです。男女混浴なので水着着用。(営業時間13:00〜19:00、大人300円、子供150円。元町港から徒歩4分)

イチオシのお土産

お土産もバラエティ豊かに揃っています。中でも個人的にオススメをご紹介!

❀伊豆大島の定番土産、椿油。宝船印の「安部製油所」のものは自然農法で管理された椿を使い、無添加で、肌に髪にトータルケアできます

❀島とうがらしが付け込まれたべっこう醤油。これさえあれば、自宅でも「べっこう」が手軽に作れます!

❀明日葉系のお土産も充実
❀伊豆大島でしか買えない大人気の「大島牛乳アイス」。ほんのり甘くて幸せな気持ちになれます〜

❀香り高い伊豆大島産の麦焼酎「御神火(ごじんか)」
❀島の自然や風俗が描かれた「御神火マッチ」。東京在住のアーティスト・滝町昌寛さんによるレトロなタッチのイラストが魅力


いろいろと書き連ねましたが、要するに楽しみが盛り沢山の島なのです! 1泊2日ももちろん可能ですが、南北のダイビングポイントと観光を目一杯楽しみたいなら2泊3日が断然オススメです!(例えば1日目は南部にステイして「トウシキ」でダイビング、2日目に北部に移動して「野田浜」「秋の浜」でダイビング、3日の早朝に「ハンマースクランブル」でダイビング+観光など)

今年もそろそろハンマーのシーズンがやって来ます!