イルカとダイビングで出会える世界随一の海【タヒチ・ランギロア】
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私がダイビング雑誌の
編集者になったきっかけはイルカ
最初に少しだけ、私がダイビング雑誌の編集者になった経緯をお話しさせてください。イルカに憧れ、イルカの調教師(セラピスト)を漠然と目指していた頃、かなり頑張ってハワイ大学海洋哺乳類研究所でイルカの研究に携わることができました。今思い返しても夢のような日々でした。イルカたちは与えられた数々の難題を解いていき、研究員たちは愛情深く24時間体制でイルカたちをケアする現場。最先端のイルカの研究を目の当たりにし圧倒されていました。
そんな中、時を同じくしてハワイ島で野生のイルカと泳ぐ機会があったんです。初めての野生のイルカとの対面は・・・泳いで泳いで、泳ぎまくったけれど、振り向きもされませんでした。「スピナードルフィン」という、わりと人にそっけない種類のイルカというのもありますが。でも、おかげで俯瞰(ふかん)で見ることができました。
キラキラ水面から注ぐ太陽の光を受けて泳ぐイルカたちの群れは神々しく、とても美しかった・・・そのとき急に思いました
「野生のイルカをありのままに伝える仕事がしたい」と。
彼らと大海原で出会える仕事に就きたいと。
2年間のハワイ留学を終え日本に帰国した私は、長年愛読していたダイビング雑誌の編集長宛てに思いの丈を綴った手紙を書き、アルバイトから入れてもらうことになりました。
と長くなりましたが、それから6年後、夢をついに実現させたのがタヒチのランギロアでした。
タヒチでダイバー人気No.1 ランギロア
タヒチといえばハネムーナーのイメージが強いですが、ちょっともったいない先入観かなぁと。私の中では「ダイバーになったら絶対に行くべき国」「奇跡の海」です。
118 もの島々から成るタヒチの中で、もっともダイバーに人気なのがランギロアです。到着してまず驚くのが空の色。むき出しの宇宙が広がっていて天空の地みたい。海は目の覚める美しいブルーグラデーション。何もかもが現実離れしています。
この島の最大の特徴は、野生のイルカとスクーバダイビングで出会えること。“素潜り”で出会える海はいくつかありますが、“スクーバダイビング”でコンスタントに出会える海はなかなかない、特別な海なんです。
ランギロアが大物を引き寄せる理由
ランギロアは世界で2番目に大きな環礁です。
上空から見ると、サンゴで出来た小さな島が真珠のネックレスのように連なっているのが分かります。
このような環礁においてダイビングが面白いとされるポイントは、島と島の間に出来た天然の水路(=パス)にあります。
潮の満ち引きによって環礁内にあるプランクトン豊富な海水がパスを通って外洋へと吐き出され、それを狙って魚が集まり、さらにそれを狙ったイルカなどの大物たちが集まってくるんです。ましてやランギロアは巨大な環礁ですから、プランクトンの量も多く、大物を引きつけるパワーがハンパないのです!
では早速、ランギロアが誇る2大パス「ティプタ・パス」「アバトル・パス」を紹介します!
↑円を描くようにリーフが広がる環礁。小さな島が連なっています
野生イルカとダイビング!
「ティプタ・パス」
↑ダイビングサービスの目の前から夢のようなブルーの世界!
↑ポイントまではゴムボート(ゾディアック)で移動
ランギロアを代表するポイントが、野生のイルカとダイビングで泳げるポイント「ティプタ・パス」。港からゴムボートで5分ほど、とても近いです。
ランギロアのダイビングスタイルは潮の流れに身を任せるドリフト。エントリー方法も独特です。ダイバーたちはゴムボートのへりに腰掛け、「1、2、3、GO!」というガイドの掛け声で一斉にバックロールエントリー。そこから素早くジャックナイフ(頭から真下に潜る)で潜降するのが理想です。
エントリーしてまず驚くのは透明度の高さ。ミステリアスなクリアブルーの水中、1200mも落ち込むドロップオフ沿いを泳ぐ・・・海底が見えない、いわゆる「ブルーウォーターダイビング」なので最初は焦るかもしれませんが、しっかり中性浮力を取れば問題ありません。
少し泳ぎ進むと「キュイーン、キュイーン」という高い音が聞こえてきます。ハンドウイルカが近くにいるサインです!ランギロア周辺には約40頭のハンドウイルカが住んでいると言われていて、「ティプタ・パス」では年間を通じて出会えます。しかも、愛嬌たっぷりなんですよ!
↑ダイバーの周りをクルクル回ったり
↑お腹を見せながら泳いだり
↑顔を覗き込みにきたり
イルカは好奇心いっぱいの生き物です。それに応えるようにコミュニケーションを試みれば応えてくれます。そこで実際にイルカに振り向いてもらえた例を挙げると。。
イルカに興味持ってもらえるポイント
>クルクル体を回転させるなど面白い動きをする。
>ビデオやカメラにも興味を持って近づいてきます。是非持参を。
>頭がツルツルしている人が好かれる傾向に。
3番目を補足しますと・・・いっしょに潜ったダイバーの中に、頭がツルっとした男性がいたのです。その方の前でピタッとイルカが止まり甘えるようにお腹を見せたんです。「なでてちょうだい〜」と言わんばかりに。めちゃくちゃうらやましかった・・・。とてもソフトで親しみやすい方だったので形状の問題だけじゃないかもですが参考まで。
ランギロアではグレイトハンマーヘッドシャークも!
さらに、ティプタ・パスはイルカ以外にも大物が目白押しです。
マンタやカメ、バショウカジキ、グレイリーフシャークシャークに至っては海底に何百匹も群れています。そして極め付けは我々を品定めするかのように頭上を通り過ぎるグレイトハマーヘッドシャーク!(グレイトハンマーヘッドシャークがよく見られのは7〜9月)
↑マンタも常連
迫力のサメ三昧「アバトル・パス」
もう1つのビッグポイント「アバトル・パス」も迫力のサメやギンガメアジの群れが見られたり、とても魅力的です。
↑巨大なシルバーチップシャークが目の前に!
アバトル・パスでまず驚くのが体長3mはあるシルバーチップシャーク(ツマジロ)。水深13mのリーフトップに着底していると、頭上をぐるぐると泳ぐサメたちの姿が眺められます。シルバーに輝くサメの姿はとても神々しく、美しいです。「ティプタ・パス」に比べて複雑な潮の流れもなく、リーフ沿いでのんびり魚が見られるのでビギナーでも安心して潜れるパスです。さらにカメやマンタ、イルカ、グレイトハンマーヘッドシャークに遭遇することもあり、こちらも何が現れるかわからないポイントです。
ガイド直伝:大物遭遇率を上げる泳ぎ方のコツとは!?
大物天国のランギロアですが、とは言え自然が相手です。そこで、現地のダイビングガイドが教えてくれた「大物遭遇率を上げる泳ぎ方」をシェアします!それは・・・
ランギロアで大物遭遇率を上げる方法
>潮の流れにひたすら身を任せ、ゆっくり時間をかけて流される。
>無駄なフィンキックはしない。
ランギロアは上級者向けの海と言われることが多いですが、中性浮力がとれて、基本的な知識があれば、初心者でもじゅうぶん楽しめます。
毎回訪れるたびに、大興奮できるオススメの海です!是非トライしてみてください!!
ランギロア ダイビング INFO
シーズナリティ | 年間平均気温は27℃。11〜3月が真夏にあたり、4〜10月は若干気温が下がる。 |
水温 | 平均水温26〜28℃ |
ダイビングスタイル | 主にドリフトダイビング。体験ダイビングでも利用される浅瀬の「アクアリウム」もある。 |
ダイビングサービス | ランギロアには5つのダイビングサービスがある。主にフランス人ガイドだが、英語対応可能。 |
見られる生き物 | 通年=ハンドウイルカ、バラクーダ、シルバーチップシャーク、グレイリーフシャーク、マンタ、イトヒキアジ、ギンガメアジなど。 12〜4月=ハンマーヘッドシャーク、マダラトビエイ。6〜9月=バショウカジキ |
※最新情報はタヒチ観光局HPなどでチェック